YZ450F


01ライダーの意志に対してリニアに反応するエンジン
細部にわたり全ての設計を徹底的に追及したエンジンの吸気系は、吸気ポートを長円に近い断面に形状変更することで断面変化を小さくし、流量を確保。同時に燃焼室内のタンブル(縦渦)を強化している。高速域でのパワーフィーリングは維持しつつ、低中速域での燃焼効率を向上し3,000~5,000r/minでのトルク特性を高めた。ライダーの意志に忠実なパワーデリバリーを実現している。また、コンロッドベアリングのオーバーレイ材質などを変更しエンジンの耐久性を高めている
02ユーザビリティが向上した排気系
サイレンサーは、排圧を分散させるためコーン位置を変更。テールパイプにキャップを追加して構造を一新している。また、サイレンサー本体の取り付け角をやや下向きに変更することでリアフェンダーとの隙間を拡大。グローブをしたまま車両を引き起こす際などの利便性が高まっている。エキゾーストパイプ中間部にはレゾネーター(二重管)を追加。扱いやすいエンジン特性に貢献している。

03最適化されたピストンとクランクアッセンブリー
軽量かつ高強度な設計を実現したアルミ鍛造ピストン、中空シャフトバランサーを採用したクランクアッセンブリーといった基本的な構造は従来モデルを踏襲。また、ピストンクーラーの噴射角を変更し、従来モデル比でコンロッドの小端とピストンピンの冷却性に寄与している。 ※ 画像はイメージです。
04上質な操作フィーリングを実現する油圧クラッチを新採用
ワイヤー式クラッチから、新たに油圧式クラッチを採用。油圧式クラッチは連続走行中ミートポイントが変化せず、レース中の調整が不要となりライダーの負担を軽減。ミートポイントの分かりやすさや自然なタッチ感を重視。クラッチスプリングの荷重を高めながらも、スプリング特性を最適化しレバー操作荷重を軽減。半クラッチ操作のスムーズさと滑らかなつながり感を実現。上質な操作フィーリングをもたらしている。入力系では、専用開発のレバーと自己潤滑性を持つ樹脂カラーを採用。伝達系ではプッシュロッドの安定化を図るミッション軸へのブッシュ追加、ハウジングスプリングのシート径拡大などを施している。さらに、プレートへの給油孔を従来モデルの並列配列から千鳥配列に変更し、広範囲への給油が可能となり安定したクラッチ操作に寄与。


05リニアなレスポンスを実現する新気導入経路
サイドカバーとタンクの隙間、およびメインシート下に吸気経路を設けることで最適化し、優れた過渡特性の実現、リニアなレスポンス、ドライバビリティの向上などに貢献する。吸気通路への水やホコリ、泥の侵入を軽減しながら、ラウンド状の立体エレメントの採用などと相まって性能向上にも寄与する。エレメントは脱着しやすい設計とし、整備性を高めている。 ※ 画像はイメージです。
06軽さと強度を両立する大径トランスミッション
スプロケット側のオイルシールは油圧が掛からない設計となっており、オイルのにじみを抑えクリーンな外観を保つ理想的なレイアウトを実現。トランスミッションに合わせ、レイアウトを最適化した軽量シフターも装備している。

07穏やかで安心感をもたらす新フレーム
ダウンチューブをスリム化して内側形状を刷新した新フレームを採用。スタビリティとコーナリング性能を高い次元で両立し、フレーム剛性を最適化。エンジン懸架は新フレームに最適な左右非対称形状を選定し、フレームのねじれ挙動をリセッティング。縦・横・ねじれの各剛性は従来モデルと同等としながらも、路面からの突き上げ(フロントフォークのストローク方向)に対する剛性を調整。前後サスペンションのリセッティングと相まって、タイトコーナーから高速コーナーまで扱いやすく、ライダーに快適性と安心感をもたらす車体特性を実現している。 ※ 画像はプロフェッショナルライダーによる海外のクローズドコースでの走行を撮影したものです。仕様が国内とは一部異なります。

08セッティング幅を拡大し限界値を拡大するリアサスペンション
KYBと共同開発した新型リアサスペンションは、低速域から高速域までより滑らかに推移する減衰力特性を狙った。さらに、手回し可能な圧側減衰アジャスターを追加している。低速領域の圧側減衰力発生を担うベースバルブは従来モデルからピストンサイズを24mm径から28mm径に大経化。ピストンのオイル通路を伸圧共通から伸圧分離ポート方式に変更。小さな入力に対しても十分な減衰力を発生し、走行安定性を高めると同時に、減衰力セッティングの幅を拡大。中高速領域の伸/圧減衰力発生を司るメインバルブのピストンは伸圧側のポート数を各4ポートから各6ポートに変更し、幅広い走行シーンでの減衰力セッティングの限界値を拡げている。
09軽量化技術を惜しみなく投入した各部パーツ
軽量シリンダーボディ、樹脂製エアクリーナーボックス、2ピースシュラウドインペラー採用のウォーターポンプ、アルミ製冷却水インレットパイプ、アルミ製水温センサー取り付けジョイント、直軸受けカムシャフトなど、軽量化技術を惜しみなく投入。懸架構造を最適化したフューエルタンク、小型燃料ポンプ、軽量チェーンサポート、ストランドタイプアウターワイヤーを装備したスロットルワイヤー、ハンドルスイッチの統合、最適レイアウトのメインハーネス、バッテリーボックスの剛性を活用したリアフレームなどにより、軽さへのこだわりを追求している。

10動きやすくズレにくい新シート表皮
シボの形状と深さを変更し、デザインをハニカム調に仕上げた新作シート表皮を採用。突起部分の断面形状に前後の方向性を持たせることで、前方向への動きやを妨げず後ろ方向へのズレにくさを両立。コーナー進入時はアクションの自由度を損なうことなく、加速時や登坂時は後方へ滑らずに高いホールド性を発揮する。シート表皮のカラーは車体の樹脂パネルに近い色調のブルーに変更。車体デザインの一体感とシームレス感を強調している。 ※ 図はイメージです。

11盗難抑制に寄与するECUロック機能を搭載
「ECUロック機能」を市販オフロード競技用モデルとして初搭載※1。スマートフォン用アプリ「パワーチューナー」でECUロックすると、パスワードを入力しなければエンジンを始動できない機能を採用。車両盗難を抑制する。 ※1 ヤマハ発動機調べ 2025年5月現在 ※ 画像はイメージです。 ※ ユーザーがパスワードを忘れた場合は、パスワード変更&削除だけでなく、ECUロック、ロック解除もできなくなるためECUの交換(有償)が必要になります。パスワードを知らない方によるパスワード変更や削除はできません。

12多機能かつ使いやすい。先鋭のパワーチューナーApp
エンジン特性や電子制御システムをスマートフォンで簡単にセットアップできるアプリ「パワーチューナー」を搭載。直感的に使いこなすことが可能で、あらゆる走行シチュエーションに最適なセッティングを実現する。
(1)「FI」&「IG」シンプルチューニング
操作は「スムーズ⇔アグレッシブ」表示の1軸バーをタップするだけ。イージーにエンジン特性をセレクトできる。4×4の画面で確認し、好みや状況に応じて「FI」&「IG」の微調整を可能にしている。
(2)トラクションコントロールシステム
走行時、リアタイヤのスリップ傾向を検知すると、点火制御によりエンジン出力を抑え、トラクションを維持。パワーチューナーを用いて、トラクションコントロールシステムの介入度合いを4段階(OFF含む)に調整できる。
(3)ローンチコントロールシステム
スタート時、リアタイヤのホイールスピンを検知すると、エンジン出力を抑え、より効率のよい発進を可能にするレブクリップ機能を搭載。ローンチコントロールシステム作動時の上限回転数を6,000〜11,000r/minの間で500r/min刻みで設定できる。ライダーはスロットルの加減を調整することなく、スタートのタイミングに集中できる。車両の発進を認識するとレブクリップ機能はキャンセル。3速に入るとローンチコントロールシステムがキャンセルされる。
(4)ラップタイム計測能機
ラップ・バイ・ラップ(1周ごとのタイム)が取れるラップタイム計測機能を搭載。セッティング効果や実戦でのラップタイム変位を数値で確認できる。計測は、左ハンドルスイッチにあるモード切り替えスイッチ「マルチファンクションボタン」を押すだけ。走行後、車両ECUが記録しているデータをアプリで確認できる。
13扱いやすいハンドルスイッチ
リブ形状のハンドルスイッチを採用。ハードな走行時でも直感的に操作しやすい形状となっている。
14ゆとりあるライディングポジション
大柄なライダーにもゆとりあるライディングポジションを実現するため、下半身に余裕を持たせたフットレストを装備。ハンドル位置はライダーに近く、より自然なポジショニングを可能にしている。コンパクトなバーパッドは耐水性に優れるPVC材を採用。アルミ材のフットレストブラケットは、軽量で車両との一体感を感じやすい形状となっている。ストッパー部は泥詰まりと路面ヒット時の噛み込み軽減を実現。
デザイン
15パフォーマンスの進化を可視化したスタイリング
YZシリーズの象徴である水平基調デザインをさらに進化するため、フロントゼッケンプレートなどの外装を刷新。路面の凹凸に関わらず、突き進む安定したスピード感と疾走感をアピールしている。艶やかな生命感を感じさせるヤマハらしいデザイン性は継承しながら、パフォーマンス進化の可視化をスタイリングで表現している。

16ミニマルで軽快なフロントゼッケンプレート
モトクロッサーの顔であるフロントゼッケンプレートは、コンパクトで軽快感をもたらす新デザインを採用。高さは最小限に抑え、スリム化を実現。サイドビューは軽快さと凝縮感を両立したエッジを施し、フロントフェンダーとのつながりも意識したデザインとなっている。凹凸を際立たせることでダイナミックさも演出し、ホース類を背面に通す方式は従来モデルから継承。フラッグシップモデルにふさわしいモダンさを表現している。
17コンパクトで着脱性が向上した2分割サイドカバー
2分割構造のサイドカバーのカラーリングは上部を車体色のブルー、下部をブラックアウトのツートンカラーでコンパクトさを演出しながらも、YZシリーズの象徴である水平基調を強調。従来モデルのボルト3本緩締から2本に変更。ボルトサイズも統一し整備性や着脱性向上を実現している。
18シャープな印象と機能性向上をもたらすリアフェンダー
リアフェンダーは車両引き起こし時の掴みやすさと剛性感を造り込みながら、スタイリングを刷新。テールエンドにかけて跳ね上がるようなイメージとし、スピード感を強調している。

19クリーンな造形に力強さを与えるグラフィック
ライダーがまたがってサスペンションが沈み込んだ際にも、水平基調を維持するデザインを採用。YZシリーズのアイコンであるシュラウドのビッグロゴは、力強さとともに、個性と存在感をアピールする。フロントフォークガードにはヤマハのレース活動の伝統を感じさせるスピードブロックを配し、熱いレーシングマインドを鼓舞する。